近畿大学水産研究所/大島実験場のクロマグロを見てきました。
国道42号線を串本町から潮岬方面へ入り、途中、橋を渡り大島へ行きます。
最初に、事業場長&技術係長の岡田貴彦氏から、クロマグロの養殖の現状について併せてその他の魚類養殖について、いろいろと説明を受けわれわれ素人の素朴で忌憚のない質問にも率直に答えていただきました。
左が岡田氏で、右側にいるのが技術員の芝田真一郎氏です。
芝田氏は、定期的に須賀利の方へ来ています。須賀利漁場では近大真鯛に関する調査を行っています。
近大では、種苗の生産から行うことが研究テーマですから、クロマグロの人工孵化から種苗へ、そして稚魚の沖だし(養殖漁場での生簀育成)までの苦労話をいろいろと聞かせていただきました。
写真左側の5~6cmが沖だしされるくらいのサイズです。
1979年に世界初クロマグロの人工孵化、仔魚飼育に成功し2002年にクロマグロの完全養殖に成功(2004年市場に出る)、そして2007年には人工孵化クロマグロ第3世代が誕生しています。
小生らは、平成11~12年ごろに水産研究所本部である白浜実験場にも視察に行っています。その時は、湾をせき止めた飼育場で養殖されていました。写真の後ろにあるクロマグロの剥製もここのものです。
3ヵ年くらいかけ30~40kgで出荷できるとのことでしたが、生産原価で2,400~2,500円/kgかかるので、3,000円/kg位の値がつけばといっていました。
そして、分かったことは水温が20℃以下では産卵しないとのことで、その環境では奄美試験場が一番適しているようでした。
餌をやって水面での姿を見ることができましたが、写真へは写せませんでした。
いろいろと伺ったあと、岡田氏の好意で実際の養殖場まで見学させていただきました。上の2枚は沖だしして1年も経っていないもので、下の2枚は180kgから200kgを超えるもので人工孵化をさせるために飼育されている近大産クロマグロです。
コンパクトなデジカメのためこの程度の写真しか写せませんでした。
大きな生簀なので、この程度の感覚しか見とれませんが、時折、餌をとるのに水面からはみ出してくる大きさにはびっくりします。
この湾内では、民間の方も3業者ほどクロマグロの養殖をされているとのことでしたが、殆どが天然のヨコワから飼育しているようでした。
岸から直ぐに見えるところでは真鯛が養殖されており、タイマーで機械的に餌をやっていました。養殖を行うのに適している漁場のようで、大島側では昭和の時代から養殖業をされている方でやめたのは2業者だけで、現在でも殆ど事業を続けているとのことでした。
近畿大学産のカンパチが相当生産され回転寿司などのネタとして出回っていますが、市場をアメリカ、中国、アラブ諸国などとし、これからの商品としてはカンパチと共にブリとのことでした。何故かと言えば、この魚は日本周辺でしか獲れないからだそうです。
数年前にクロマグロの養殖場として須賀利へ打診したが、その折は断られたと・・・、須賀利港は水深があるのと水が出ない(大きな河川がない)ので養殖漁場としては良好なようです。
今頃の話だったら、タイムリーな話題となりますが・・・
視察に行くと、農業されているところでは「農業が廃れば、地域が廃れる」といっているように、尾鷲においては、「漁業や林業が廃れば・・・」なのも同じです。定置網漁もそうですが海面養殖も大きな比重を占めています。事業継続のための体力が問題となって来ているようです。
今一度、尾鷲市行政としても農(漁業・林業)商工連携のあり方と強化が問われる・・・、これからのテーマのように思います。
PS・・・、この湾で養殖された生クロマグロがいつでも食べられるところを探しました。
『水門(みなと)まつり』という串本町都市交流海洋施設です。
和歌山辺りではラーメン、串本から勝浦辺りまではマグロ、そして熊野から尾鷲は秋刀魚寿司とか干物など、まだまだうどんやそば、そして多種多様な郷土料理があり、「紀州路食べ歩き紀行」なんどとして物語化する紹介本や解説付きマップなどがあれば、もともと景色もよく歴史があるところだけに、高速道路の整備と共に集客交流がより図れるように感じた、紀伊半島をほぼ一周する政務調査視察だった。
『にほんブログ村』人気ランキングに参加しています。
全国の地方議会議員の活動報告ブログ/人気ランキングは、ここから・・・
三重情報(尾鷲情報もあり)発信ブログ/人気ランキングは、ここから・・・
地域のための議員ブログ集約サイト『まちの種』は、ここから・・・
by mikikazu82 | 2010-02-21 22:05 | ミキカズの活動日記