夏休み

 吉田拓郎の「♪夏休み」がスキなのである。初めてアルバム「♪元気です」で聴いたときから、優に35年以上経っているがいまだによく歌ったり聴いたりしている。
 因みに、このアルバム「♪元気です」は、それまで野暮ったかった他のアルバムに比べ、スマートで音質まで飛躍した一品であった。

 
   「夏休み」   吉田拓郎 作詞/作曲

 麦わら帽子は もう消えた  たんぼの蛙は もう消えた
 それでも待ってる 夏休み

 姉さん先生 もういない    きれいな先生 もういない
 それでも待ってる 夏休み

 絵日記つけてた 夏休み   花火を買ってた 夏休み
 指おり待ってた 夏休み

 畑のとんぼは どこ行った  あの時逃がして あげたのに
 ひとりで待ってる 夏休み

 すいかを食べてた 夏休み  水まきしたっけ 夏休み
 ひまわり 夕立 せみの声



 そして、この歌の詞にある「麦わら帽子は もう消えた・・・」を聴くと、角川映画の「人間の証明」の台詞や挿入歌が浮かんでくるのである。
 この元詩が、西条八十の「麦藁帽子」なのである。勝手ながら、小生にはイメージがダブるのである。  

 
  「麦藁帽子」   西条八十

母さん、ぼくのあの帽子どうしたでせうね?
ええ、夏碓氷から霧積へいくみちで、渓谷へ落としたあの麦藁帽子ですよ。
 
 Mama, Do you remember
      the old straw hat you gave to me  
      I lost the hat long ago,
      flew to the foggy canyon
                         「人間の証明」 ジョー中山


母さん、あれは好きな帽子でしたよ。
ぼくはあのときずいぶんくやしかった。
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき向こふから若い薬売りが来ましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとしてずいぶん骨折ってくれましたっけね。
だけどたうたうだめだった。
なにしろ深い谷で、それに草が背丈ぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき旁で咲いていた車百合の花は、もう枯れちゃったでせうね、
そして、秋には、灰色の霧があの丘をこめ、あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかもしれませんよ。
母さん、そしてきっといまごろは
今晩あたりは、あの谷間に、静かに霧が降りつもっているでせう。
昔、つやつや光ったあの伊太利麦の帽子と
その裏にぼくが書いたY・Sといふ頭文字を埋めるやうに、静かに寂しく。



 いつしか、麦わら帽子そのものが作業用の帽子のようなイメージになり、情緒のない時代なのである。
 
 こどもの頃の夏休みの行事には、麦わら帽子をかぶせられ出かけた記憶がいまだに消えず、高台にあった学舎への坂を登る階段から幾度となく風に飛ばされ、みんなで騒いでいたことも、小生の「ふるさとの原風景」なのである。
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  by mikikazu82 | 2007-07-19 06:30 | ミキカズの四方山話

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