産婦人科医師不足問題

 最近、奈良県橿原市の妊婦(38才)の受け入れ先が決まらず、搬送中の救急車が事故に遭った上、死産(厚生労働省が、妊娠12週以降に死亡した胎児の出産を「死産」と定義。)した。この問題で、のちに最初に受け入れを要請された奈良県立医大病院に空きベッドがあったことが分かったが、二人の当直医は別の妊婦の診察に追われ、受け入れを断っていたと報じられた。
 
 また、別の医療機関も「分娩中で手が回らなかった」などと断った理由を説明、言うまでもなく産科医の不足などや医療現場での大きな問題点が浮かび上がってきた。

 先ず大きな問題点の一点目は、産婦人科の医師不足である。 
 
 原因は、卒後医師の臨床研修制度による一つの大学病院で勤務医師を確保できなくなってきたことや、都会部への医師の偏在、そして、もう一面の大きな理由は、この医療業務が24時間体制でなくてはならないことや医療事故への懸念である。




 我が尾鷲総合病院においても、一昨年(平成17年)医師の派遣先である三重大学の方針から、産婦人科の中の産科部門を廃止せざるを得ないような事態となった。
 三重大学におかれても、勤務医師不足のなかでの安全な診療体制づくりから医療機関の集約化を進め、産婦人科部門を熊野市・南牟婁群を拠点とする紀南病院へ統合したのであった。(分娩医療機関は1993年の4,286ヶ所が、2005年には3,056ヶ所に減っており、以後も減少傾向にある)

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 しかしながら、当市にとって若い世代の安全で安心して暮らせるまちづくりには、医療機関に出産出来る体制づくりを欠かすことは出来ず、当時、議長を務めいた小生にとっても一般の議長職のみならず、伊藤市長と三重大学や付属病院、県福祉部、地元選出国会議員の諸先生方への陳情や、厚生労働省等への要望に明け暮れた記憶が、今も鮮明に残っている。

 産婦人科医師が確保できたのは、これらとは別の方策ではあったが、産婦人科医師への報酬問題なども含め、地域医療の危機を全国発信したことも事実であった。
 現在は、二人目になる野村医師が、尾鷲を中心とした紀北地区の妊婦やその家族に夢と希望をもたらしてくれている。しかし、休暇時には別の産婦人科医師を依頼し配置しているが、勤務状況は決して万全とは言いがたいのが実情である。


 二点目は、総合周産期母子医療問題である。今回の橿原市での出来事の中で、国が進めてきた異常分娩の危機のある妊婦を受け入れる総合周産期母子医療センターが奈良県には設置されていないことである。
 
 三重県では、独立行政法人・国立病院機構 三重中央医療センター内に、三重県総合周産期母子医療センターがあり、地域周産期母子医療センターとして市立四日市病院・ 県立総合医療センター・ 国立大学法人三重大学医学部付属病院・ 山田赤十字病院の医療施設がある。しかし、高規格道路の整備が進みつつあるが現状としては当地域から2時間近くを要するのである。

◎総合周産期母子医療センターとは、相当規模の母体・胎児集中治療管理室を含む産科病棟及び新生児集中治療管理室を含む新生児病棟を備え、常時の母体及び新生児搬送受入体制を有し、合併症妊娠、重症妊娠中毒症、切迫早産、胎児異常等母体又は児におけるリスクの高い妊娠に対する医療及び高度な新生児医療等の周産期医療を行うことができる医療施設をいう。

◎地域周産期母子医療センターとは、産科及び小児科等を備え、周産期に係る比較的高度な医療行為を行うことができる医療施設をいう。


 
 三点目は、救急医療を担う救急救命士を含めた消防署との連携である。特に医療機関への搬送には医師の指示の下に救命の緊急処置なども必要不可欠であるが、それ以前に、症状によって妊婦を何処へ搬送するかの冷静な判断などが、日頃の研修や協議を通じて生かされてくるのである。

緊急時は、119番で通報するか、尾鷲消防署/℡0597-22-2020 海山消防署/℡0597-32-0004、紀伊長島消防署/℡05974-7-0001へ通報してください!

 
 産婦人科・小児科もそうであるが、内科を含め医師不足が進みつつあり、
地域医療危機的な状況にあることは否めず、今後もこの問題は住民が挙って尾鷲総合病院サポーターの気持ちを忘れずに、関心を持って見守ることが肝要なのである。

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  by mikikazu82 | 2007-08-31 14:44 | ミキカズの四方山話

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